見せ方で印象がガラリと変わる、という話
最近広告などでよく見る、「XX秒に1個売れている!」という宣伝文句。特にチョコモナカジャンボでは、
0.24秒に1個売れている!
という、感覚的に実体が掴みづらく、凄いの凄くないのかよくわからないけど、なんとなく「たくさん売れてるんだなあ」という印象を与えるキャッチフレーズな広告を出しています。
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・・・というわけで、今回の記事では、その辺について少し掘り下げてみようと思います。
結局、何個売れているのか?
計算してみましょう。
0.24秒に1個売れているということは、1時間では何個になるんでしょうか。簡単な計算です。
(1 ÷ 0.24 × 3,600) = 15,000個
これでもまだピンとこないですね。では1年に換算すると?
15,000 × 24 × 365 = 1億3,140万個
ということで、要は、「年間1億3,140万個売れてます!」ということを言い換えたものだといえますね。なんだか、数字は大きいですけど、年間の売上として考えると、大手であればそこまで驚くべき値ではないような感じになりましたね。
キャッチー度、最悪の表現にしてみる
それでは、これを更に微妙な表現に変えてみましょう。人口統計を用いて、幾つかの仮定をおいて進めることにします。
2016年の人口統計によると、10代~50代の人口は7,391万人です。これを、「アイスを好んで食べる年代」として定義しましょう。
この数字で、先ほどの年間売上数を割ってみましょう。(敢えて単位を付けます)
134,000,000 [個/年] ÷ 73,910,000 [人]
= 1.78 [個/人・年]
こんな数字が出ました。これが何を指しているかというと、「アイスを好んで食べる年代の人が、年間に平均1.78個買う」ということになるんですね。
すなわち、比較的ずれていない(と思う)仮定において、「0.24秒に1個売れている」 = 「平均して年間1~2個程度買う」と言い換えることが出来るわけです。
こう言いかえると、「なんだ、そんなもんか」と思いませんか?
まあ、実際凄いのは凄いんですが、感覚的につかみやすい表現に変えると、その実態が見えてくるという好例なのかなと思いました。
こうやって騙される事例は多くある!気をつけましょう
今回は広告戦略としての話ではありますが、こういった形で騙されてしまうと言ったケースは多くあると思います。
例えば、分割払いとかはそうですよね。「1日1杯のコーヒーを飲む値段(200円)で!!」とか言う宣伝文句はよく見たような気がしますが、これを年間に換算すると7万5千円にもなります。仮に可処分所得が300万円だとしたら、所得全体の2.5%にも当たることになりますね。
時間軸を細切れにすることで全体層をぼやかせるというのは、よく見せる見せ方の常套手段です。必ず、「もっと時間軸を広げるとどうなるのか?」とか、「トータルではどうなるのか?」と言ったことは、常日頃から考える癖をつけると、色々良いことがあるのではないかなあと思ったりします。
ちなみに・・・チョコモナカジャンボは普通にうまいので好きです。私は、年間に1個位のペースで買いますね。
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以上です。